鬼瓦とはどんな瓦?役割や種類を解説します!
2024/07/13
日本の伝統建築に興味がある方は、きっと屋根の上に見慣れない瓦を見たことがあるのではないでしょうか。
その瓦、実は「鬼瓦」と呼ばれる、歴史と文化が詰まった伝統的な建築様式の一部なのです。
今回は、鬼瓦の役割や種類、そしてその歴史的な背景について解説していきます。
□鬼瓦とはどんな瓦?役割と歴史
鬼瓦は、屋根の棟の両端に設置される瓦の一種です。
その特徴的な形状と、鬼の顔をかたどったデザインから、古くから人々の注目を集めてきました。
1: 機能的な役割:雨水の浸入を防ぐ
鬼瓦は、単に装飾的な役割だけでなく、屋根の構造上重要な役割を担っています。
それは、雨水が屋根から流れ落ちる際に、棟の両端から侵入するのを防ぐ役割です。
棟は屋根の最も高い部分であり、雨水が集まりやすい場所です。
そのため、鬼瓦がなければ、雨水が棟から侵入し、屋根裏にまで達してしまう可能性があります。
鬼瓦は、雨水の流れをスムーズに導き、屋根裏への浸水を防ぐ役割を果たす、まさに屋根の要といえるでしょう。
2: 魔除け・厄除けの意味
鬼瓦には、雨水の浸入を防ぐ機能的な役割以外にも、古来から「魔除け」 「厄除け」の意味が込められてきました。
これは、鬼が持つ力強いイメージから、災厄を払い除けてくれると信じられてきたからです。
「鬼を味方につける」という考え方ですね。
鬼瓦は、単なる瓦ではなく、人々の生活を守るための大切な存在だったのです。
3: 歴史と変遷:時代とともに変化する鬼瓦
鬼瓦の歴史は古く、平安時代にはすでに存在していたと考えられています。
当初は、寺院や神社などの宗教施設に多く用いられていましたが、江戸時代には一般の民家にも設置されるようになりました。
しかし、鬼瓦の恐ろしい形相が近隣を威嚇するようにも見えるため、次第に敬遠されるようになり、鬼の形相ではない鬼瓦も用いられるようになりました。
現代では、デザインの種類も豊富になり、鬼瓦は伝統的な建築様式を彩るだけでなく、個性的なデザインで建物をより魅力的に演出する役割も担っています。
□鬼瓦の多彩な種類
鬼瓦には、その役割や用途によって様々な種類があります。
それぞれに特徴的なデザインが施されており、見ているだけでも飽きることがありません。
1: 鬼面鬼瓦:寺院に多く見られる伝統的な鬼瓦
鬼面鬼瓦は、その名の通り鬼の顔を模した鬼瓦です。
お寺に多く設置されており、阿形と吽形の2種類の顔があります。
阿形は口を閉じ、吽形は口を開けた状態を表しており、それぞれが異なる意味を持っています。
2: いざり鬼瓦
いざり鬼瓦は、棟の高さが異なる屋根に使われています。
屋根の傾きに合わせて、片側が切られた形状をしています。
3: 影盛鬼瓦
影盛鬼瓦は、蔵に設けられることが多い鬼瓦です。
鬼瓦と棟が接する部分に漆喰が塗られ、形状が盛り上がっていることが特徴的です。
4: 若葉鬼瓦:鮮やかな緑の葉をイメージした鬼瓦
若葉鬼瓦は、若葉模様がデザインされた鬼瓦です。
鮮やかな緑色が、屋根に華やかさを添えます。
5: 蔓若葉鬼瓦:蔓のデザインが特徴的な鬼瓦
蔓若葉鬼瓦は、蔓(つる)のデザインが特徴的な鬼瓦です。
シンプルながらも、優美なデザインで、様々な屋根に合わせやすいのが魅力です。
□まとめ
鬼瓦は、雨水の浸入を防ぐ機能的な役割に加え、魔除け・厄除けの意味を持つ、歴史と文化が詰まった伝統的な建築様式の一部です。
その種類は多岐にわたり、それぞれに特徴的なデザインが施されています。
鬼瓦は、単なる瓦ではなく、人々の生活を守るための大切な存在であり、日本の伝統文化を伝える重要な要素の一つです。
現代においても、鬼瓦は、建物をより美しく、個性的に演出する役割を担っています。
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